陸上競技部

DATE:2023.10.07陸上競技部

「史上最強の駒大」へ 夏合宿インタビュー(前編)

 昨年度、史上5校目の三冠を達成した駒大。来たる三大駅伝に向け、夏合宿で注目選手のインタビューを行った。
 前編では、藤田敦史監督から注目の1年生として名前が挙がった安原海晴(商1)と小松聖(政1)、篠原倖太朗(地3)のインタビューを紹介する。

◆安原海晴

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(撮影:宮澤希々)

ーー前半シーズンを振り返って

「レースに関しては、自己ベストを更新できたレースがなかったので少し悔しいが、練習環境が変わったのもあってそういう結果になったと思う。高校まではスピードを重視した練習をしていたが、駒大に来て駅伝に向けて距離を増やした結果、ベストは出なくても持久力がついてよかった」

ーー初めての夏合宿だが
「今まで何回か選抜合宿で人数の少ない合宿には行かせてもらっていたが、部員全員での合宿ということで、これだけ大人数の合宿は初めてだった。大変なこともあるが、その分色々な人との関わりなどもできていいなと思う」

ーー合宿の手応えは
「合宿の序盤に一時練習から離脱した時期があったが、それ以降はかなり練習を順調に積めている。手応えはあると思う」

ーー現在の調子は
「ある程度走れているのでいい状態かなと思う」

ーー先輩たちの走りを見て、真似したい、取り入れたいと感じたことはあるか
「夏合宿では坂道を走ることが多いが、自分は体重移動が難しくて下りを走るのが少し苦手。これまでに山下りを走られた先輩とも一緒に走る機会があるので、その先輩の走り方を見ながら体重の移動であったり、体のフォームだったりを真似したいと思う」

ーー長期間の合宿だが、コンディションの管理で工夫していることはあるか
「やはりコンディショニングという面では、睡眠がかなり重要になってくると思っている。自分は結構睡眠を重要視しているので、いつも合宿とかには自分の専用枕を持って行っている。そういうことでより良い質の睡眠をとれるように気をつけている」

ーー夏合宿の楽しみは
「他の選手と甘いもの食べにいくこと。この近くだと志賀高原はジェラートが有名なのでそれを食べにいったり、1つ前の野尻湖だったら、近くのかき氷やアイスクリームを食べにいったりすることが楽しみになっている」

ーーオススメのジェラートは
「ナガノパープルというぶどうのジェラートを食べたが、それが美味しかった。他の選手は酪農ミルクが美味しかったと言っていた」

ーー兄の(安原)太陽選手(地4)も日の丸を背負ったが
「自分が2月に世界クロカンで日の丸をつけて走った時に『次は俺が日の丸を背負って走る』と言っていた。はやくもそれを有言実行してすごいなと思いつつ、自分は初めての世界大会が散々な結果だったのに対して(兄は)銀メダル。実力差はかなりあると思うので、自分も負けずにいつかまた再び日の丸を背負って、より良い結果で走れることを目指して頑張っていこうと改めて思った」

ーー藤田監督から注目の1年生として名前が挙がったが、1年生を引っ張っていこうという意識で練習に取り組んでいるのか
「そういう意識もあるが、自分は引っ張るのは向いてないのかなと思っている。言葉とかで引っ張っていくのはあまり得意ではないので、自分の活躍や背中で見せるスタイルで引っ張れたらいいなと思う」

ーー入学して半年経つが1年生の雰囲気は
「1年生間でたまにトラブルもあるが、全体的には仲良くやっていけてるのではないかと思う」

ーー駅伝シーズンに向けて
「これから学生3大駅伝と言われる3つの駅伝を走ることになるが、1年生として若い力を存分に発揮しながら、まずは駅伝を走ることを任される選手になりたい。そうなった時には任された区間を精一杯走り切りたいと思う」

◆小松聖

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ーー前半シーズンを振り返って
「けがをすることなく継続した練習をすることができたが、練習がいっぱいいっぱいで、試合に出てもあまりいい結果が出せなかった」

ーー新入生取材の際に「ケガをしない体づくりをしていきたい」と言っていたが、それが出来てきたのか
「そう」

ーー合宿中の調子は
「比較的いい。合宿中も継続して練習ができている」

ーー大学に入って初めての合宿だと思うが、高校時代と比べてどうか
「一番感じたのは、距離の踏み方が違うなということ」

ーー合宿の手応えは
「まずまず」

ーー昨日は2年の大和田貴治(地2)と二人でジョグをしていたが、大和田選手とは仲がいいのか
「いい。いつも仲良くしてもらっている」

ーーほかにも仲良くなった選手はいるか
「田丸颯(営3)さんとは仲良くさせてもらっている」

ーー先輩の姿を見て真似したい、見習いたいと思ったことはあるか
「強い先輩になればなるほど意識が高く、例えば朝練が始まる前に1人で動きづくりをしている。そういう姿を見て、自分も高い意識をもって競技に臨みたいと思った」

ーー鈴木芽吹(営4)選手や藤田敦史監督から注目の1年生として名前を挙げられていたが
「高校時代は全然結果を出せず、親にも迷惑をかけてばかりだった。鈴木選手まではいかないにしても、箱根のメンバーとして出走するなどして、少しでも恩返しができればいいなと思っている」

ーー学年の雰囲気は
「1年生は比較的みんな仲がいい。グループもなく『みんなで一緒に頑張っていこう』という雰囲気があると思う」

ーーシーズン後半、駅伝の初出走も見えてくると思うが、1年生の中でライバルになりそうな選手は
「安原海晴や工藤信太朗(地1)をライバルとして意識している」

ーー意識している他校の選手は
「高校の同級生だった大野(聖登、順大)と、藤本(駿世、東洋大)は意識している。駅伝や大会で戦うことがいつかあると思う」

ーー駅伝シーズンに向けて
「まずはチームの雰囲気を作るにあたって、自分は一番学年が下なので、上級生にどんどん刺激を与えて、あわよくば自分が出走できるような状態に持っていきたい」

◆篠原倖太朗

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ーー前半シーズンを振り返って
「個人的にはとても良かったと思う。全体的にもチームの平均が上がって、他の子も走っていたので良かったと思う」

ーー印象に残っているレースは
「4月の金栗記念選抜陸上中長距離大会。2年前の日本選手権で田澤廉さん(23年卒、現・トヨタ自動車)と芽吹さんのレースを見てから、10000mをずっと走りたいと思っていた。その2人にやっと追いついた気がしたレースなので、成長を感じた。学生記録を出した点で言えば、2月の香川丸亀国際ハーフマラソンの方が貢献度は高いかもしれないが、自分の中では金栗の方が価値のあるレースだった」

ーー世間的にも篠原選手はハーフマラソンの印象の方が強いと思うが、10000mへの気持ちの方が強いのか
「日本人はトラックをやらなければいけないと思っている。まだ体も動かせる年齢なので、やれるうちはトラックをやっていこうと思っている。だからまだ10000mでやりたい」

ーー前半シーズンは7つのレースに出場し、故障もなくタフだと感じるが、意識していることは
「走れたけど、後半2つのレースは外したレースなので、ちゃんと走ることができたのは5つ。ハーフマラソンを2本走っているのはあると思うが、自分の体的には5本が限界だと思う。限界値が分かって、その中でけがをしなかったのは大きかった。あとは、今までは半年に1本骨を折っていたので、それがなくなったのは良かった」

ーー故障しないために意識していることは
「合宿中は野菜を食べないこともあるが、出されたものを食べているので、家では野菜も食べている。体重を気にしてご飯を食べない人がいるが、やっぱり食べた方がいいので、ドーピング以外の食事は気にすることなく食べるというのが自分のスタンス」

ーー「同学年の選手に負けない」ということを以前から話しているなかで、石塚陽士選手(早大)に5000mのタイムを抜かれたが
「焦らなくなった。走ったら負けないと思うので。そういうところが精神的に強くなった」

ーー3年生はほかの学年に比べると苦労をしている代だと思うが、3年生の雰囲気は
「まだ甘い。『篠原だから違う』『篠原だから走る』。そういうことではないと思う。自分も入学時はドラフト9番で入ってきて、大腿骨も折って、ヘルニアにもなって、それでもハーフマラソンは学生記録で走って、10000mも27分台で走っている。それを1番近くで見ているのが、あいつら。だからもう少し意識を変えて、試合を走って欲しいという思いがある。でも、彼らも意外とやっていて、ただ結果が出ない。スタートラインに立つ時点で気持ちが負けているので、そういう所は直して欲しいし、やらなければいけない立場。結果が出なければマネージャーになるというのも1つの選択肢だと思うし、厳しいがスポーツの世界そういうものなので、追い込んでやって欲しい」

ーー学年リーダーとして何をしているか
「自分の学年は、とりあえず自分が走ることが大前提。自分が走るためには、今は走らないことが1番。今は走れていないが、とりあえず休んで9月からまた頑張りたい」

ーー後輩から目標の選手に挙げられることも多いが、それは感じるか
「いや、感じない(笑)。そこまでグイグイ来る感じはない」

ーー合宿には少し遅れての参加となったが、夏合宿のテーマは
「とりあえず戻すこと。筋肉の質的にもちょっと違う部分があるので、入れ替えてスタート時に戻す」

ーー今後の駅伝シーズに向けて
「昨年度田澤さんからも『エースが走らないと勝てない』と言われたので、しっかり3つの駅伝を走って、区間賞、区間新記録で終わりたい」

執筆者:宮澤希々

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