
対立正大戦 インタビュー




令和7年度東都大学野球春季2部リーグ戦の最終週対立正大戦が、5月28日と29日に等々力球場で行われた。第1戦と第2戦を投手陣を中心に2連勝した駒大は、6月6日に等々力球場で行われる専修大との優勝決定戦に駒を進めた。
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◆第1戦 インタビュー
◆香田誉士史監督
ーー仲村竜(営4)が完封して、勝利したが
「その通り。大事な一戦だったため、どう頑張ってくれるか期待していた。いいピッチングだった」
ーー伴場柑太(営1)の起用もありえるかと思ったが、仲村を起用した理由は
「竜は4年生。自覚が違う。迷うことなく仲村を起用した」
ーー仲村を起用するにあたり『頼んだぞ』と期待をかけたのか
「そんなことはない。一戦一戦を考えた時、2戦先勝になるから、拓大戦の時と状況が異なる」
ーー最終回は点が開いていたが、仲村を続投させた理由は
「点差が開いているから投手交代をするという姿を見せたくなかった。前の試合の教訓もある。最後までやるべきことをしっかりやるという判断をした」
ーー駒大打線は、左右が綺麗にジグザグになる時があるが、何か意図はあるのか
「何となく左右が交互になればいいと思って組んでいる。そこまで重視はしてないが、打者のタイプをかんがみて組むと交互になることもある。自分の中に理想のイメージはある」
ーー3番打者の網治晃佑(経3)は、初スタメンだったが
「そこまで、チームの中でこの起用が珍しいという思いはない。期待どおり、1本打ってくれた」
ーー拓大戦で勝ち点を取り、優勝が見えてきた今回の立大戦。意識したことは
「2部で優勝と言っても手放しで喜べない。1部への挑戦権を得るだけの話。あくまで通過点」
ーー2部と1部では優勝への喜びが違うのか
「そういうこと。あくまで通過点。厳しいチーム同士の戦いがあるから、やはりうれしさはある。だが、感動しているところではない。継続していかなければならない」
ーー1部の日大や亜大の試合の動向も気にしているのか
「見に行くことはない。毎回毎回の点数は気にしてはいるが、駒大の練習が優先」
ーー専大と東農大の試合結果次第で作戦を変えるのか
「特に変えることはない。今ある中で一戦必勝」
ーー眞邉麗生(法2) の打順が変わる事が印象的だが、意図は
「特にいろいろな打順を打たせている感覚はない。インスピレーション的なところもある。いろいろな構想、シュミレーションの中で打順を決めている」
ーースタメンで出場している選手の中で、(打順を)1番動かしている印象だが
「特に動かしているイメージはない。(どの打順で試合に出場するかも)選手の仕事かなと思う。もともと固定してずっと出しているわけではないことを選手もみんなわかっている」
◆仲村竜(営4)
ーー拓大との第3戦の際には、伴場の後に投げたが先発の希望はあったか
「特にこだわりは無い。『どこでもいけ』と言われたら投げる準備をしていた。先発だろうが中継ぎだろうがやることは同じ。チーム状況的にも、どの場面でも行けないとだめ。そこまで先発の希望はなかった」
ーー仲井慎(法3)が今季、投げることが難しそうだが、何か思いはあるか
「特別思ってはいない。自分自身が今季、コンディション不良でチームに迷惑をかけていた自覚がある。その中で仲井が頑張ってくれていた。状態が良くなってきたためしっかり勝って、入替戦で投げさせてあげたいという思いがある」
ーー今季4勝目で初完封。昨季と比べて、良くなった点は
「昨季はフィールディングが悪かったが、冬の練習で改善できた。その結果、不安材料が減ってピッチングに集中できるようになった。また、打たれたあとの切り替えができるようになってきた。『打たれても、その後打ち取れれば良い』という意識も昨季と大きく異なる点のひとつ」
ーー6回で100球を超えていたが、スタミナは
「逆に、6回以降の方がスピードはそこまで出ていなかったが、個人的にいい調子で投げられたと思う。100球を超えたことは全く意識していない」
ーー132球は
「最多投球になる」
ーー初完封の感想は
「うれしいが、明日の試合もある。終わった瞬間に喜んで、今は次に備えるだけ。もう気持ちは切り替えている」
ーーコンディション不良があったが、日々の生活をどのように意識して改善したのか
「ケアに時間を割いた。投げたあとのアイシングやダウンを見直した。また、姿勢が悪い方なので寝る時や歩く時の姿勢を意識し、自分でできることを改善した」
ーー寝る姿勢の改善とは
「寝る直前まで背中を寄せて、仰向けを意識したり、枕を右側に置いたりした。なるべく左側に寝返りを打つようにした。睡眠が浅い方で寝返りを打つ時も意識できた」


◆眞邉麗生(法2)
ーー打順が定まっていないが
「打順はあまり気にしていない。場面とピッチャーのことを考えて『自分のできる精一杯のことをしよう、価値につながる一打席にしよう』という気持ちがある。自分のするべきことをする」
ーー今日は4番だったが
「昔の自分なら打順で気持ちが動いていた。大学で『打順にこだわらず自分のやるべきことをやる』という気持ちの持ち方を少しずつ覚えてきた」
◆第2戦 インタビュー
◆香田誉士史監督
――最後までヒヤヒヤする展開だったが
「正直、9回の頭に田本聖貴(営3)でいこうかそのままいくか少し迷い、変化球にちょっと合ってないのかなと思いながらスタートは伴場でという判断をした。頭からきれいに守護神的な存在で生かしたいのもある」
――先発は伴場か西村陸努(商4)かで迷っていたのか
「昨日の帰りには西村と車の中で決めていた。伴場はああいう使い方。もうちょっと早い、6回くらいからも考えたりした」
――仲村はベンチ入りもさせず
「先を見据えてというのがスタッフの意見でもあった。使い所的には他の人の方が良いのかと思い、迷わずにすぐ外そうとなった」
――総力戦の方がむしろ士気が上がったりするのか
「そういう場合もあるがそこは冷静に。当然この試合は勝ちに行くが、一勝一敗になった時のことを考えてというところの中でそこは迷わなかった。昨日帰ってすぐ(仲村に)アウトと伝えた。先発は西村と車の中で決めたので」
――気持ち的には絶対連勝というような気持ちで
「一勝一敗の粘れる状況を作っておかなきゃいけないという考えだった」
――専大の結果待ちだか、やれることはやったという感じか
「そうですね。とりあえず次の試合はあるので、淡々とまた進めていこうかなと」
――疋田は守備面で買ったのか
「バッティングは体も大きいし当たったら飛ぶ。肩を含めてセービングであったり、非常に基本的なところをきちっとやる。派手なことではなくやるべき事をきちっとやるという部分での信頼はピッチャーからもあるように感じている。ずっと変わらず一生懸命やっている、波なくやれている選手だと思っている。メンバーに入ってない時も一生懸命やっているところが今回出ているように感じる。バッティングも勝負強い」
――疋田悠真(仏3)を上手く併用してきた
「献身的な部分がある。今日の西村とは相性的には良いかなと思っている」
――(疋田が続いていたので)そろそろ渡邊怜斗(法2)かなと思ったが
「いつでもいける状況はある中で、一勝一敗になったらまた分からないと思った。キャッチャーは体力もないと粘れないのでその中では(疋田が)よく頑張ってくれた」
――(疋田のプレーの変化は)傍から見ていても分かるのか
「本人の言うような感じ。最近、朝の個人アップの時間などで観察しているが、朝イチに他はストレッチしている中でも疋田は体のキレを出そうとバット振っていたりするので、それが本人の言う『ボハーっからシャキッと』という朝の入りというか。そこも含めての評価」
――眞邉の良さは
「まず体が強い。スイングも強く振れるし、強い打球が打てる。センターで、バックアップも1番あり、攻守交替もあり、ランナーでも出てというなかで、リーグ戦をやり遂げた体力の部分は魅力。なので、ずっと出続けさせても心配する部分が少ない。本人が言っていた、頭の中で考え、勉強していることが実践でき、成功体験が多く積めていた。これから研究されて苦しむこともあると思うが、成功体験を積めたことは大きかったと思う」
◆疋田悠真(仏3)
――試合に出ていてどうか
「なかなか試合に出ることができていなかったが、いつでもいく準備は試合に入る前からずっとしてきたので、それが今こうやって結果につながっているのかなという感じがする」
――5回表の打席はどんな思いで入ったか
「チャンスだったので、初球を思いきって振った結果が点に絡んで良かった」
――打った球とコースは
「インコース低め」
――なかなか点が取れない展開の中、自分が打つという思いがあったのか
「そういう訳ではないが、場面によって自分のやることをしっかりやろうという気持ちで入っていった」
――コツコツと波なくやるのが自分らしさ、モットーなのか
「自分の性格的になかなか前に出れないタイプだが、その中で『みんなと違うことを率先してやろう』という思いが自分を変えられた気がする」
――違うことというのは
「朝の入り方、事前の準備を意識的に変えていった」
――どう変えたのか
「インの仕方とか。自分はボハーっと入る癖があるので、そこをシャキッと。自分の悪い所がだんだん良い所に変わってきた気がする」


◆西村陸努(商4)
――先発を伝えられたのは
「寮に帰って、室内練習場で行われたミーティングのとき」
――ある程度、予想もあったか
「前々から、伴場か自分かと言われていたので心の準備はできていた」
――今日はどのあたりが良かったか
「『1球、1人、1イニングずつ積み重ねていこう』という気持ちでマウンドに上がって、その通り1イニングずつ重ねていけた。疋田も自分の良さを上手く引き出してくれて、首を振らず疋田を信じて投げたのがこの結果につながったと思う」
――連勝を重ねていた同じ、岡山学芸館高出身の仲村の存在に刺激を受けることもあるか
「高校では1年次の時から投げ合ってきた仲で、お互い大学に入り下級生のときはなかなか活躍できなかったが、4年次になりチャンスを頂いて、リーグ戦前からお互い『勝たないといけないよな』と鼓舞しあっていた」


◆眞邉麗生(法2)
――打率が.388まで上昇しているが、自分ではどう感じているか
「あまり数字は気にしていなかったが、1つ1つ考えてやったことがこの数字につながっていると思う」
――昨秋に比べて良くなったことは
「バッティングの考え方が180度変わった。自分自分になるのではなく、相手に対応できるようになり、視野が広がり、引き出しが増えた。ずっと冬からバッティングを良くしようと徹底してやってきたことがリーグ戦に結びついているように感じていて、打者としてのランクが1つ上がったように思う」
――変えるきっかけは
「元々、監督さんやスタッフの方に自分の課題を聞いたり言われたりしていて、それを徹底的に潰して、悪い形になっても良いから継続しようとやってきた」
――打席での考え方など具体的にどのような部分を変えたか
「相手投手のリリースの位置や球の回転、腕の振り方などをしっかり観察して、場面によってバッティングを変えるようにしている」
――今季の初めに立てた目標は
「3割には乗せたいと思っていた」
――(道具の)水色はラッキーカラーなのか
「そうではないが、冬に父から『気持ちを変えるために、色を変えてみるか』と言われ、元々は赤色だったが、思い切った色にした」

