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駒澤大学経済学部

ゼミ(演習)紹介Seminar

ゼミ(演習)の研究テーマ

日本経済を歴史で学ぶ

 「日本経済の歴史を学ぶ」ではないところがポイントです。
 現代に生きる私たちが目にしている経済、経営、産業などは、長短の違いこそあれ、いずれも歴史的な経緯をもっています。過去に関する史料やデータを調べることは、人間でいえば履歴書をたどっていくような作業であり、「いま」だけを見ていては気づくことのできない情報や知見を得ることができます。
 また、経済には「新しいようで古くからある問題」がたくさんあります。過去の時代における類似のケースを知っておくことで、目の前で起きている出来事にも別の側面が見えてくるかもしれません。
 このようなアプローチでゼミを進めますので、中学・高校時代に日本史が苦手だった人でも、まったく心配はいりません。卒業後、社会人として必要とされるちょっとした常識や教養も、経済史と出会うことで自然と身についてくるのではないかと思います。


ゼミ(演習)の進め方

 教員の指示を待つのではなく、学生主体で考え、決断し、実行していくゼミです。試行錯誤も経験値の一つ。何事もポジティブに取り組んでいます。
 ゼミ活動の二本柱は、日本経済の歴史に関連する基本文献をレポート&ディスカッション形式で読み進めていく「文献輪読」と、このあとで述べるインターゼミのための「グループ研究」です。
 参考までに、この数年間輪読した文献は、以下の通りです。

2024年度
 武田晴人『新版 日本経済の事件簿
 −開国からバブル崩壊まで−』(日本経済評論社)
2023年度
 武田晴人『事件から読みとく日本企業史』(有斐閣)
 首藤若菜『物流危機は終わらない』(岩波新書)
2022年度
 満薗勇『日本流通史−小売業の近現代−』(有斐閣)

 文献輪読は、ただの読書会ではありません。内容を正確に理解すること、要領を得たレジュメを作成すること、わかりやすい話し方で発表すること、そして質疑応答など、基本的なアカデミック・スキルをきちんと身につけられるようにします。

 ゼミについての寄稿
(『駒澤大学 学園通信』第335号,2019年1月) こちら


インターゼミ

 毎年12月頃に、慶應義塾大学(2014年度以前は立教大学)、明治大学、高千穂大学の日本経済史・日本経営史ゼミと合同で、インターゼミを開催しています。
 発表する研究テーマは、学生自身がアイディアを持ち寄り、話し合って決めます。教員の助言・指導も適宜受けながら、資料やデータの収集、論文の執筆、発表用のスライド作成など、すべてを学生主体で進めていきます。
 専門分野の近い他大学のゼミ生と討論したり交流したりする機会は、そうあるものではありません。箱庭のような駒澤大学のキャンパスの中にいては気づかないこともたくさんあると思います。その経験は、就職活動の場でもきっと役に立つことでしょう。

 過去のインターゼミでの発表タイトル一覧は こちら

 インターゼミについての寄稿
(『こまざわ経済通信』第34号,2015年3月) こちら


卒業論文(卒業研究)

 演習V(4年生)では、卒業論文(卒業研究)提出に向けての作業が中心となります。2〜3年生で行ったグループ研究での経験を活かしながらも、すべてを自分の力で進めていくことになりますが、学生生活の集大成となるようなきちんとした論文が書けるよう、教員が丁寧に指導します。
 卒業論文は、年度末にゼミで発行する『日本経済史ゼミ論集』に全文が掲載されます。最新号とバックナンバーは、駒澤大学図書館にある「本学紀要・論集」コーナーで閲覧できます。

 過去の卒業論文のタイトル一覧は こちら


合宿、コンパなど

 正規の授業時間だけでなく、合宿、コンパなど、ゼミ活動全般への積極的な参加が望まれます。授業以外の場で親睦を深め、気軽に何でも言い合える関係を築くことも、ゼミにおける議論の活性化やレベルアップにつながるのではないでしょうか。
 合宿では、インターゼミや卒業論文に向けて準備している研究の検討が中心となりますが、レクリエーション、エクスカーション(名所旧跡の観光)、工場見学なども織り交ぜ、毎回楽しい企画になるようにしています。
 合宿、コンパなどの日程は早めに決め、各自でスケジュールを調整してもらっています。ほとんどの学生が部活やサークルに属し、アルバイトもしていますが、ゼミと両立させています。


就活座談会

 毎年、ゼミの4年生を講師として、就職活動についての最新情報やアドバイスなどをざっくばらんに話してもらう「就活座談会」を開いています。内容はすべてまかせていますが、最近は、模擬グループディスカッションや、エントリーシートの添削など、実践的なプログラムを準備してくるようになりました。就職活動は、学生生活の一部分に過ぎませんが、真摯にそれと向き合う上級生や同級生が身近にいることの影響は思う以上に大きいと考えています。
 ちなみに、企業のトップには歴史好きな人も多いらしく、重役面接で「キミ、良く知ってるねぇ」と歴史談義に花が咲いたこともあったとか……。
 内定先は、経済学部全体の傾向とほぼ同じで、メーカー、金融、サービス、運輸、公務員(警察官含む)などが中心です。大学主催の合同企業説明会には、人事担当者となったゼミの卒業生が来ることもあります。

 以上、ゼミ活動について簡単に紹介してみました。毎回のゼミの時間が、何か小さなことでも良いから参加者にとっての知的発見や、精神的成長のきっかけを得られる場でありたいものです。当ゼミに少しでも興味をもった方、一緒にやってみませんか!

 ゼミ・ギャラリーは こちら